■最後に残るものは、“紙”。

fabzweb2005-03-29



度々お伝えしていますが、先日我が家のパソコンが壊れてしまい、
中のデータやバックアップ問題も含め途方に暮れてしまっていました。
そんなボヤキ話を人としていた時に〜
『最も信頼できる記録媒体は何?』という展開になりまして、
テレビの学者の話で『最後に残るものは、“紙”。』だった、という意見を聴きました。
次々と新しい記録媒体が出てきていますが〜どれも正確には永遠ではなく、
いつか必ずバックアップしなければならない局面が生まれる為、
究極の記録媒体は、最もシンプルな〜“紙”だとの事。
事項の要点をきちんと“紙”に記したものを〜丁寧に保管するの事が、極めると何より一番だとか。


最後に残るものは、“紙”。音楽であれば、それは“譜面”。
つまり、メロディがどんな“譜面上の動き”を示すのかの違いこそが、
きっと音楽の“核心”だと言えるのでしょう。


この冬は、3/26記事に記したように〜 [“邦楽ロック検証”] に相当の時間を
注いでみたのですが、率直な感想を述べると〜一言で言って、
『みんな曲が書けてねえよ〜!』というのが一番の印象でした。
今の日本では、バンド名や音の歪み具合や雰囲気/デザイン/宣伝量/顔などの
“付加価値”が大事で、曲自体なんかどうでもいいんじゃ?と思うほどでした。
そのへんを心酔しているリスナーの耳、例えば10年前より退化しちゃったんじゃないだろうか?
本当に心配になりました。今ならオレもバンド出来ると思った(笑)。


『じゃあ、曲が書けてるロックって!?』とツッコミ入れようと思った方に今オススメ
したいのが〜当サイトで“祭中”のザ・コレクターズと、このマーティン・ニューウェル
理由は簡単。今回の一連の“邦楽ロック検証”で疲れた耳を潤してくれたという事実と、
音楽に詳しくない人でも楽しめる親しみ易さと〜玄人を唸らせる深さを併せ持っていること。



マーティン・ニューウェルは10年程前より活躍している英国のアーティストで、上記掲載の1st『THE GREATEST LIVING ENGLISHMAN』(参照/ASIN:B00004T01F) をXTCアンディ・パートリッジがProduce、右の2nd『OFF WHITE ALBUMビーチ・ボーイズ・マニアでも知られるルイ・フィリップが手掛けています。
アンディ・パートリッジにルイ・フィリップと言ったら…
それはもう相当にマニアな人でも一目置くロックの鬼才なのですが(検索でもしてみてね)、
そんな彼等をも傍役に追いやる〜マーティン・ニューウェルの楽曲自体の魅力が本当に素晴らしい!
ビートルズキンクスシド・バレット(ピンク・フロイド)にも通じるブリティッシュ
ロック伝統の趣味全開なのですが、影響を超えてこっちの方がイイという人も居るほどです!
自身のギターや顔に似合わずカワイく若い声(失礼!)が〜特に上手いという訳ではないのに
独特の“これぞ大英帝国”という世界を醸し出し、ポップで甘い毒に溢れた絶品メロディを
見事に彩っています。エルヴィス・コステロ松尾清憲さん好きもマストでしょう。
つまり〜ミスチル派からムーンライダーズ派まで楽しめるものです!


『曲が書けてるロックって!?』という問いの答は、マーティン・ニューウェルの
この2枚のアルバムや、The Collectorsの〜例えば「ザ・バラッド・オブ・ロンサム・ジョージ」
「GIFT」「Giulietta」「百億のキッスと千億の誓い」といった曲を聴けば…きっと見えて来るはず。
人々がどんな作品に触れて“イイ”と思うかは、
それぞれが今まで〜どんなものを蓄積して来たかによって異なります。
もしこれらの音楽が始めは判らないとしても、試しに…言ってる意味が判るまで聞き込んでみて下さい。
きっといい音楽経験になると思います。
少なくとも、僕が今まで数千枚のレコードを聴いてきた見地から見て〜
これらに何も感じない人には…『音楽聴くのやめたら?!』と言い出しかねないほどですから。


最後に残るものは、“紙”。音楽であれば、それは“譜面”。
つまり、メロディやフレーズやリフレインが音楽の“核心”であり、
その“違い”こそが、当然ながら〜優れた音楽を創っている最大の要因なのでしょう。




 *注/『THE GREATEST LIVING ENGLISHMAN』はジャケットが掲載品以外にも数種存在します(どれも彼の顔写真)。


P.S./
上記の2枚に加え、アンディ・パートリッジ(XTC)やルイ・フィリップ自身の作品自体も〜“名盤100選”候補級のオススメ作です(右掲載作参照…後日改めて掲載予定)。



そういえばマーティン・ニューウェル、その翳りある謎めいた…というより怪し気な英国紳士的容貌も印象的ですが、あの映画『ハリー・ポッター』の学校“ホグワーズ”の用務員さん見た時…そっくりだと思いましたよ(笑)。




                      *なるほどね〜と、思ったら… (こちら投票♪)





今週の1曲 #バック トゥ トゥモロー(Windows Media Player)(real player)/The Collectors[特集コチラ]