“そして、奇跡的一夜”



The WHOショックも醒めやまぬ僕に、さらに新たなショックが襲いました。


それは、2004年11月7日 渋谷eggman に於いての BOX のライヴ。
「もうライヴを見られないであろう存在」だった BOX のライヴ。


正確には…「松尾清憲のコンサートに杉真理と小室和幸が参加」というのが正しいのですが、
それでも、「BOXメンバーの3/4」「BOXの曲もやりそう」との情報を数日前にNetで発見し、
完全に舞い上がってしまったのです。
何故ならBOXは、僕にとって日本のミュージシャンで最も…
「一度是非ライヴを見たかった」「もうライヴを見られないであろう存在」だったからです。


BOXは、1988〜1990年に活動したブリティッシュ・ビートへのハンパじゃないオマージュBand。
松尾清憲杉真理というと「ニュー・ミュージック系」と思う人達もいるでしょうけど、
黙って『BOX POPS』聴いてください。それで判らなければ、やはりギターをスマッシュです。


日本のロックの最高峰は、僕の中でBOXの『BOX POPS』がダントツなのです。それは圧倒的に。
日本のロックの最高峰が、日本のポップス畑で語られてる人達によって作られたという皮肉。
それはある意味…日本の“ロック幻影”を象徴している事にすら思えてきます。
付加価値抜きで、音楽自体で〜楽曲自体で勝負して来なかったからなのです。
だから僕は、洋楽のロックばかり聴くようになってしまったのです。



11月7日のライヴに行くのは、BOXへの思い入れが凄い分、ザ・フー同様…実は悩みました。
しかし〜松尾さんの今年発表された新作CD『SPIN』が本当に素晴らしかったのと、
「もうライヴを見られないであろう存在」であるBOXに対し〜後悔したくなかったので、
変な考えは捨てて、思いのままeggmanに行きました。


結果、…大ショックでした。本当に素晴らしかったです。
予想以上のBOXナンバーの多さ…というより“BOXコーナー”みたいのがありましたし、
松尾さんの作品も素晴らしかった。本気ブリティッシュというか〜もはやサイケ派の印象も。


そして、色んな事を考えさせられました。
「今の日本で、みんなの聴いているロックって?」とか、
「この素晴らしい音楽を、コア・ファンだけのものにしていていいのか?」などなど…。




このコンサートの詳細も、今はまだ冷静に書けそうにありません。
“「愛しのロージー」や「ムーンライト・ランデヴー」もやってくれた〜”とか、
“小室さんのベースはホントにフレーズが唄ってるなぁ〜”とか、
“BOXコーナーは〜いきなり「Temptation Girl」でノックアウトされた〜”とかで、精一杯。


とにかく何より印象的だったのは、BOXナンバーでの松尾氏/杉氏/小室氏の「嬉しそうな顔」。


「もうライヴを見られないであろう存在」だったBOXのライヴ。
それが、まんま〜僕の憧れのBOXとして、目の前に。
いや、というより〜予想を遥かに超える本当に素晴らしいライヴでした!
本当に行って良かった。心からありがとう、と言いたい気分です。
実は当日〜
『BOX POPS』のレアなアナログ盤を持参してサインしてもらえないかと目論んだんですけど、
本当に素晴らしい入魂のライヴの後なんでお疲れと思い〜遠慮して帰りました♪


そして今、僕の中でBOXに関し〜ひとつだけ言える事は、
あの、BOXの皆さんの「嬉しそうな笑顔」を見て、
BOXは「もうライヴを見られないであろう存在」から〜
「新作を是非また聴いてみたい存在」へと変わって行った事なのでした。


“新生BOX”に期待しつつ、僕もこのサイト等で…
BOXや松尾さん/杉さんが発表してくれた素晴らしい作品の数々を〜
影ながら紹介させて頂き、心から応援させて頂こうと思いました。




 ♪ I am eggman, You are still“BOX”♪




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