CURTIS MAYFIELD カーティス・メイフィールド  (The Impressions) (ジ・インプレッションズ)
 (CURTIS MAYFIELD & THE IMPRESSIONS) (かーてぃす・めいふぃーるど) (かーてぃすめいふぃーるど)



= Vol.1 =


もしブラック・ミュージックのArtistを「たった1人しか聴けない」場合があったとしたら、
私が誰より薦めたい存在は、OTIS REDDINGでもMARVIN GAYEでも無く、
CURTIS MAYFIELDという〜SongwritingやGuitaristとしても秀でたArtistであろう。


CURTISはR&Bの世界で、最も“誠実な作品創りを行って来た存在”という印象が強く、
'50-'60年代のTHE IMPRESSIONS時代から'70年代以降のソロ時代を通し、Artistとしての
“姿勢”や“こころざし”の面で、器の違い・懐の違いを痛感させられる事が多い。
バラードからファンクまで、多彩な表情を放つSongwriterとして数多くの名作を世に残し
たが、その根底に流れるハートウォームさと確かな視点がどの1曲にも注ぎ込まれており、
それがたとえ社会に対する厳しいメッセージ作品の場合でも-誠意ある公正な目は曇る事は無い。
どの1曲もCURTISの分身の様だ。歌詞を追うまでも無い。音楽が既にメッセージだ。
正にミュージシャン・シップの鑑のような存在である。
'99年、惜しくも他界。R.I.P.


 *
'50年代中期シカゴにて、CURTISはTHE ROOSTERSというGospelルーツのVocal Groupを結成。
そこにJERRY BUTLERというVocalistが加入し-'58年JERRY BUTLER & THE IMPRESSIONSとし
て「FOR YOUR PRECIOUS LOVE」でデビュー。これがいきなり全米11位のヒットを記録する。
そのVintageな風格を漂わせた作品とJERRY BUTLERが大きく注目されるが、早くもJERRYは
ソロとしての活動を選びTHE IMPRESSIONSを脱退してしまった(*1)。


トリオとして再編したIMPRESSIONSは、'61年ABC PARAMOUNTより「GYPSY WOMAN」を発表。
CURTISのペンによるアメリアッチ風異国情緒溢れる傑作であり、これが全米20位(R&B2位)
と再びヒット。これが真のCURTIS黄金時代の始まりを告げる名作で-代表作のひとつだ。


ここで早くも印象的に響くのが、その独特のギター・フレージング。
特にその-ちょっとしたオブリガード-に威力を発揮する彼のフレージングは、まだ比較的
シンプルな'60年代当時のR&B演奏において大きな特徴となっている。
彼のバラード作品において特に、その独特のギターは重要なアクセントとなり、決して中
だるみする事は無い。ファンキー作品でも勿論だが、そのSongwritingと共に彼のギターが
重要な武器となっているので〜その辺りも含め聴かれると楽しみも倍増すること請け合いだ。


また、あのジミ・ヘンドリックスもCURTISのギター・スタイルに多大な影響を受けており、
リード・ギター部以外の彼のフレージングの多くに-その影は聴いて取る事が出来る。
更にJIMIの曲作りにもCURTISの影響は大きく、特に『AXIS:BOLD AS LOVE』辺りに顕著だ。


この曲は多くのArtistにリメイクされているが、中でもBoogaloo/Salsaシーンの代表格で
あるJOE BATAANのデビュー・ヒット('67)と、CURTIS自身のFunkyリメイクはマスト。


 *
「GYPSY WOMAN」から'60年代を通じIMPRESSIONSは30曲以上のシングル・ヒットを放つ。
これはJBに次ぎOTISより上。しかし過去の日本の歪んだR&B評価の為か、軽視されて来た。
今でも「CURTISがTHE IMPRESSIONSの中心人物だった」という事実を知らない人も多い。
しかしそれはリスナーに限った事では無く、中には音楽ライターにも存在する(呆れるが)。


'60年代中期までの代表的なものを挙げると-、
まずGospel感覚を前面に出した「IT'S ALL RIGHT」('63)に「AMEN」('64)。特に前者は
全米チャート4位(R&B1位)というIMPRESSIONS最大のヒットを記録したもの。
純Gospelとは言い難いが「KEEP ON PUSHIN'」「I'VE BEEN TRYING」(共に'64)なども、
人々への心の応援歌と言えるものであろう。
一方で「I'M THE ONE WHO LOVES YOU」('62)や「I'M SO PROUD」('63)といったSweetな
作品も魅力。「I'M SO PROUD」のチャーミングさはR&Bの歴史に残るLove Balladの傑作と
言えるもので、TODD RUNDGRENLAURA NYROらのリメイクもあるが、何よりまず本家を。


そしてTHE IMPRESSIONSを語る上で欠かせないMasterpieceが-「PEOPLE GET READY」('64)。
今年(2004)年 『Rolling Stone』誌が選んだ“500 GREATEST SONGS OF ALL TIME”でも
堂々24位に選出された-崇高さ漂うハートフルなGospelバラード。癒しの側面すらある。
(ちなみに、OTIS「(Sittin' on) the Dock of the Bay」は28位)




                  *なるほどね〜 と、思ったら… こちら投票♪


(つづく)


= = = = Vol.2-COMING SOON! 以降、執筆中。しばらくお待ちください。 = = = =



(次回は「PEOPLE GET READY」続き。そして「WE'RE A WINNER」から“New Soul”〜ソロ時代へ)




 *関連/オススメArtists* アイズレー・ブラザーズ ボブ・マーリー JIMI HENDRIX ジェームス・ブラウン
 ダニー・ハサウェイ スライ&ザ・ファミリーストーン スティーヴィー・ワンダー マーヴィン・ゲイ
 リロイ・ハトソン ポール・ウェラー トッド・ラングレン ローラ・ニーロ ジョー・バターン レニー・クラヴィッツ
 山下達郎 オリジナル・ラブ ピチカート・ファイヴPizzicato Five スガシカオ Public Enemy Arrested Development etc.


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 (今回のCURTIS Profileは膨大量となった為、前半部分先行掲載とさせて頂きました。文章的におかしい部分等ございましたらご指摘下さい。)