特集ザ・コレクターズ/8…♪洋楽つながり(前編)

fabzweb2005-01-24



〜まとめてご覧頂くと更に楽しめます〜 [特集/ザ・コレクターズ]
 *「邦楽つながり」編はaiko/スピッツ/THE YELLOW MONKEY/Mr.Childrenミスチル等掲載しています→[Part.1] / [Part.2]






ザ・コレクターズと洋楽つながり
  〜まだ、ちゃんとコレクターズを聴いた事のない方々に〜




1/20〜19にかけて「コレクターズと邦楽つながり」編をやってみましたけど、
今回は…ある意味“もっと密接”な「洋楽つながり」編でやってみたいと思います。
何故“もっと密接”かと言いますと〜コレクターズは…彼ら自身が洋楽マニアでもあり、
そしてコレクターズ自体〜“洋楽マニアにも認められる邦楽バンド”という印象も強い為です。




コレクターズというバンドの資質を〜最も端的に表現してみるとしたら、
やはり僕は…“日本のTHE WHO”と言ってもいい存在だと思っています。
ザ・フーに対する僕のマニアぶりは〜このサイト見て頂ければ片鱗が伝わると思いますが、
そんなTHE WHOマニアから見ても、コレクターズの資質は“日本のTHE WHO”に値するもの。
よく言われる“モッズ的見地”はもちろんですが、
それに限らず〜作品の“志”やアーティスト・プライドという面でもそれを強く感じます。
初期のギター・サウンドや日本でのネオ・モッズでの流れにも当然それは現れていますが、
もっと深いところでのつながりを感じています。“意図”では無く〜“意義”のようなもの。


彼等の転機となった『UFO CLUV』('93)は〜“コレクターズ版『WHO'S NEXT』”でしょう。
モッズ/ブリテッシュ・ロックの流れからサウンド的に飛躍した『WHO'S NEXT』の切り口を、
コレクターズも自らの活動の上でひとつの指針とした筈。そして見事成功したのです。
そしてそこでのプロデューサーの吉田仁を〜再び起用したここ近作の充実ぶりからしても、
彼等自身が『UFO CLUV』=『WHO'S NEXT』の切り口に手応えを感じた故だと思われます。
また、ヒット曲「世界を止めて」には『TOMMY』のギター・リフを彷彿とさせるものもあり〜
ニヤリとさせてくれます。ただし、曲パクリとか無い点も〜WHOへの愛を感じさせてくれます。
以前も触れましたが、近作での音の骨太さも〜音像としての『WHO'S NEXT』にも思えます。
「Mr.GENTLE」なんかは…“フーの「Disguises」が『WHO'S NEXT』に収録されていたら?”
という感じの音になっていて、THE WHOマニアには鳥肌確実の名作です(副題for John Entwistle!)。
「世界を止めて」系と言えるであろう「POWER OF LOVE」にしても、音の骨太さが〜Sweetな
メロディーと程良いバランスとなり、新たなエヴァーグリーン作品になったと思えます。




しかし一方で、メロディーメイカーとしてのコレクターズ=加藤ひさし氏を捉えた場合、
その“音楽つながり”の筆頭に挙げられるのは…ザ・フーピート・タウンゼントよりも〜
The Beatlesのレノン/マッカートニーやThe Kinksのレイ・デイヴィスではないでしょうか。
“直接的に”という作品は無いですが、ビートルズ初期から後期までの消化ぶりを感じます。
特に“ほのぼの系”の作品に於いては、ポール・マッカートニーや『VILLAGE GREEN』の頃の
キンクスに通じる面が顕著で、加藤氏のルーツに根差した確かな曲創りが光っています。
本当にコレクターズは曲自体がしっかりしています。“青春の思い出”みたいなアーティスト
の多くが〜“今聴くと曲ショボイ”という中で、コレクターズの曲の良さは別格なのです。




これら3者に限らず、コレクターズのサウンドには〜60年代ブリティッシュ・ロックの様々な
要素を感じ取る事が出来、それら英国ビート・バンド好きにはウレシイところ満載です。
モッズ派スモール・フェイセスを筆頭に〜マンフレッド・マン、サーチャーズ、アニマルズ、
スペンサー・デイヴィス・グループなどのマージー・ビートの良さも凝縮されています。
ヒット曲「GIFT」や、近作でも「CRAZY LOVE FOR YOU」という甘くほろ苦い名曲があります。
またロックに限らず、英国Girl Popsの代表格ペトゥラ・クラークや、英国でも人気の高い
作曲家バート・バカラック等のポップス系作品からも曲創りの影響を受けていると思われます。


そしてもちろん、ネオ・モッズ/パンク世代であるコレクターズの面も随所に現れており、
ザ・フー同様〜彼等のIdolとして語られるポール・ウェラーPaul Wellerザ・ジャムThe Jam
を始め、クラッシュThe Clashエルヴィス・コステロElvis Costelloなどにも通じています。
パンクと言っても稚拙系では無く、ひねりのあるモノであるのが彼等らしい点だと思います。
「TOUGH」「TEENAGE FRANKENSTEIN」「PUNK OF HEARTS」などが代表的作品でしょう。


また、特に初期BAIDAS時代のサイケな作品群は…当時言われた“ネオGS”と言うより〜明らか
に元祖英国サイケ直結の本格派であり、トラフィックゾンビーズホリーズ『BUTTERFLY』
などを想起させてくれるものです。この路線は以降の作品では少なくなりましたが、時折ある
〜そのマニアぶりが溢れ出る時を楽しみにしているファンの存在もお忘れなく(笑)。
この流れは〜80年代後期のXTCやel/CREATIONレーベル、90年代のKula Shakerなどにも通じる
もので、これら洋楽好きには〜『PICTURESQUE COLLECTOR LAND』等は最高の宝箱でしょう。
特に「Dear トリケラトプスは…アンディ・パートリッジやトッド・ラングレンもビビる筈です。
更に〜サイケ・ポップ時代を経ての70年代UKポップもの/ポスト・ビートルズものを感じさせる
作品もあり、特に「ザ・バラッド・オブ・ロンサム・ジョージ」というミラクル級傑作や、
その続編的とも取れる歌詞世界の「THE MISFITS' MANIFESTO」などは必聴もの。
また近作での「遠距離通話サービス」は〜10ccやパイロット/ELO好きはニヤリ確実です。




 続く    (コレクターズ洋楽つながり後編は1/23〜こちら


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