◆コレクターズALBUMガイド加筆『UFO CLUV』



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◆6th『UFO CLUV』 / The Collectors *加筆分*  →(全文掲載ページ)


例えるなら〜今までのコレクターズは“ブリティッシュ・ビートに憧れて”というようなものだったのに対し、本作ではまるで…“君たちはイギリスのバンドなんだ。世界に向けて音楽を放て。”と言われたかのような印象がある。今までも充分に洋楽マニアぶりを感じさせるいい意味での“バタ臭さ”のあった彼らだが、ここでのそれは“バターそのもの”であり、「世界を止めて」は実はまるで、“日本ノFANノ為ニ曲ヲ書キマシタ。”というイメージなのではないかと個人的には感じている。そうした洋楽的見地全開のナンバーにあえて日本の一般大衆が判りやすく自己を投影しやすい歌詞をぶつけてみたところが新境地であり、それはこの曲に限らず〜アルバム全体の隠しテーマなのではないかとすら思える。
同様の事は、全ザ・フーMANIAの表情がほころぶ壮大な「愛ある世界」、ポップさと凝り加減の調和したチャーミングなファンキー・ロック新境地「Monday」などにもよく現れている。特に「Monday」aikoが溺愛している事でも知られるが、aikoのファンは更に本作収録の「5・4・3・2 ワンダフル」を聴けば〜彼女の“ジャクソン・ファイブ趣味”の発端に触れる事が出来るであろう。



“コレクターズ初期カルト4作至上主義”の方々の一部には、「世界を止めて」やこの『UFO CLUV』が“売れ線になった”と嘆く方も多少居るようだが、果たして簡単にそう言い切れるであろうか?
例えば、どこまでも影を落とすソリーナ的ストリングスが美しい小品「リラ」などは過去最高に渋い作品なのではないか?現代版プロコル・ハルムとも言えそうな月は無慈悲な夜の女王や、ハードな「Dog Race」「U・F・O」などが“売れ線”と言えるであろうか?
本作は各収録曲ごとのコントラスト(対比)が強くなったという傾向が強く、コレクターズが新次元に入った事を告げる作品と捉えるべきであろう。初期のカルトなコレクターズも確かに素晴らしいし個人的にもハマルところであるが、正直、あの路線のみでクオリティや人気が長続きしたバンドを洋邦問わず僕は知らない。
むしろ客観的には、あのカルトでマニアなコレクターズが現在も活躍している事の方がある意味驚きであり、そう成り得た事のきっかけが本作だった事は疑う余地も無い。これが無ければ後の「遠距離通話サービス」や「6 or 9」といった初期コレクターズMANIAが驚喜する名曲も聴く事が出来なかったかも知れないという点でも、本作の意味は相当に大きいと言えよう。


“このアルバムこそがThe Collectors”と言い切れない多彩な魅力を持つ彼らであるが、やはりこの『UFO CLUV』は、代表作のひとつとしての手応えを強く感じさせてくれる名盤であろう。このアルバムのどの収録曲をとっても、邦楽という狭い物差しでは計りきれない“グローバル”な視点に溢れたものであり、それを親しみ易い言葉に乗せ〜より多くの人々に向け放ったアルバムだからである。
邦楽ロックしか聴かない人が洋楽を聴くステップと成り得る作品であると同時に、邦楽ロックなどろくに聴くかない洋楽派も思わず唸る作品である。
そんな本作が当時ヒットしたという意味は大きく、また現在においても、その価値は衰えるどころか〜“新たな発見”を秘めているような引き出しの多い名盤であるだろう。それは初めて聴く人にも〜何度も聴いている人にも言える事であろうし、そうした…容易には計りきれない要素を潜めた趣深いものこそが、飽きることなき“マスターピース”と呼ばれるに値する作品なのであろう。



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〜すいません-次は『CANDYMAN』とか書いておきながら未完の分を先行してしまいました。


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