●またの名をジェームス・ホワイト。そして“ZE”。



■驚愕!ジェームス・チャンス&コントーションズ来日!
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=8808


今回のネタはデスコですよ。または、パンクかも知れない。いや、パンクなんて言葉じゃ生ぬるい。
70年代後期〜80年代初頭にかけてのニュー・ヨーク周辺の音楽シーンにおいて、
“ノー・ウェイヴ”と呼ばれる前衛+POPの流れがありましたとさ。
ポスト・パンク的な NY・アンダーグラウンドの世界なのですが。トンでる感じと言えば、コレ。
この流れを代表する作品として〜『NO NEW YORK』というブライアン・イーノ制作のオムニバス
があるのですが(当時のイーノは…トーキング・ヘッズやデヴィット・ボウイあたりですね)、
そこに参加していたのが〜ジェームス・チャンスという鬼才であります (アート・リンゼイもいたね)。



そのジェームス・チャンス…またの名をジェームス・ホワイトが唐突に現在〜初来日中!
フリーキーなSAX奏者兼ヴォーカリストでもある彼の世界は…とにかくアヴァンギャルド
当人としては白人ながらR&Bの神髄に精進という感じかも知れませんが (JBカヴァー有)〜
時代と場所もあるでしょうけど、出てくる音が〜果てしなくPUNKでFUNKなNEW WAVE
「Punk To Funk」なんてファットボーイ・スリム=ノーマン・クックが言う20年前に〜既に実行してた男。



しかし〜何でまた今ジェームス・ホワイトが初来日?!とも思うのですが、
その背景には、彼が所属していたカルト・レーベル“ZE”の復興と再評価いう背景があるのです。
ZE は〜ある意味『NO NEW YORK』より更にカルト。イってる上に〜同時にPOPでDISCOだから。
レーベル復興第1弾の『N.Y. NO WAVEにて〜代表的『NO NEW YORK』系が纏められてます。
ひらたく言うと…アヴァンギャルドなくせに自分ではマトモだと思っているようなタチの悪いレーベル。
NYアンダーグラウンドポスト・パンク感に加え…CLUBシーン上での末期デスコ退廃が加味された感じであり、
クリスティーナ/リディア・ランチ/スーイサイド/WAS (NOT WAS)/アート・リンゼイらが名を連ねてます。
そしてその ZE の音の黒幕と言える存在が〜我が心のIDOL、KID CREOLE ことオーガスト・ダーネルなのです。



オーガスト・ダーネルはカルトDISCOのDr.バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド出身。
1st こそポピュラー性の高さで人気を得たものの、2nd/3rd の“狂乱なのに目が据わっている”
様は“間違いなく一発やっていそうなサウンド”で非常にヤバいカルト楽団 (だけど3rd超名盤)。
僕は高校生でこの辺りハマったせいで〜以来ヤワなパンクやデスコは歌謡曲にしか聞こえません。
キッド・クレオール/サヴァンナ・バンド/ ZE に関しては…近い内にまた改めて)



話を戻しまして〜ジェームス・チャンス/ジェームス・ホワイト。
彼が ZE に残した2枚のアルバムが、レーベル復興に伴いめでたく再発されました。ジャケも人気。
『NO NEW YORK』ラインが『BUY』/更に一歩つっこんだ(踏み外した?)のが『OFF WHITE』
特に『OFF WHITE』はオーガスト・ダーネルによる変態Popディスコ感覚とジェームス・ホワイトの
弾けぶり絶妙な代表作「Concort Yourself」、ハリウッド産エキゾチック名曲が痛快ズタズタとなる
「(Tropical) Heatwave」、いたずら電話に反応する男の悲しき性哀歌(?)、そして更にボーナス・トラックとして〜
ZE クリスマス・アルバムからの怪演「クリスマスと悪魔」などを収録してオススメ!(注/万人受けでは全くナイよ)



そして彼は何と〜まもなく新譜を発表するそうです!もしかして20年ぶりくらい?
キッド・クレオールも復興 ZE から〜以前のようなカルトな新譜を出して欲しいものです。
色々問題もあったようだけど、
ZE ってやっぱり〜音楽的自由度の非常に高いレーベルだったのは事実ですから。
期待しています、“ZE”の逆襲


                            *なるほどねぇ〜と、思ったら… (こちら投票♪)

P.S./勢いで、こんな本まで出てマス。坂本龍一推薦文(笑)
No wave―ジェームス・チャンスとポストNYパンク』http://www.esquire.co.jp/clt/culture.html