■エルヴィス・コステロ



エルヴィス・コステロ Elvis Costello & The Attractions
 『BLOOD & CHOCOLATE』
 ('86/RIVIERA)

が日本の音楽評論家を信じなくなった原因の一つは、誰か大御所
の評論家先生が作品評でズタズタに斬ると、そういう先生評論家にありがちの単に個人的趣味
嗜好程度の考察レベルによるレビューながら…そういう一種のレッテルを貼られてしまい、
ザコ音楽ライターから音楽かぶれサンまで〜“右ならえ”の評価となりがちだから。この作品
の酷評もいい例。自分の言葉になっていない“受け売り”ほど恥ずかしいものは無いのに。
その酷評の根拠は…本作の音の荒さゆえ〜音的なゴージャス前後作『KING OF AMERICA』
『SPIKE』
より劣るとでもいった類のものなのでしょうか?
とんでもない!この作品は〜何よりも曲自体が書けてるのに!
キャッチーかつビート感に溢れる「I Hope You're Happy Now」「Blue Cheer」、シンプル
ながら切実な翳りに満ちた泣きの名バラード「I Want You」、そしてコンパクトに“ヤケ”
と“キャッチー”を凝縮させたラスト曲「Next Time Round」まで〜名曲揃い!
初期作品プロデューサーである盟友ニック・ロウに制作を再び任せての、活きのいいバンド
サウンドが全編に満ちた仕上がりが魅力的。それにより上記に挙げた“名曲系”とは別の
〜「Honey Are You Straight Or Are You Blind?」等の“ビート感勝負系”のナンバーも
荒さがいい効果をあげ、ともすればインテリ指向となりがちのコステロ作品に…ロックの
初期衝動の魅力を甦らせる事に成功した作品なのではないか、と僕は捉えています。
コケ脅しナシのPUNKなサウンドに、POPなメロディも甘さに流されず〜“ヤケなPower”に
溢れた傑作。初期『GET HAPPY』や後のワーナー期『BRUTAL YOUTH』等元気系好きや
レニクラ/ミスチル好きは忘れずCheckしてほしい隠れた名盤。酷評盤ゆえ中古も安い(笑)。
 
◎この辺り好きに→Mr.Children/レニー・クラヴィッツ/ポール・ウェラー/THE COLLECTORS/Beat Crusaders

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