ザ・ゾンビーズ

fabzweb2004-12-14



The Zombies 「TIME OF THE SEASON(二人のシーズン)」


現在ニッサン(日産自動車)のCMで「TIME OF THE SEASON(二人のシーズン)」が使われて
いる〜ザ・ゾンビーズが、にわかに再注目されているようです。


ZOMBIESは〜'60年代イギリスの、一般的に“マージー・ビート”と呼ばれるRock Band
ブームの中から登場したグループで、あのビートルズストーンズと並び活躍しました。
特に'64年の「SHE'S NOT THERE」はビートルズを筆頭に英国バンド勢が一斉にアメリ
のヒット・チャートを襲った“ブリティッシュ・インヴェイション(British invasion)”
を代表する1曲としても知られ(全米2位)、他にも「TELL HER KNOW」や〜日本独自ヒット
である「I LOVE YOU」(当時G.S.バンド-ザ・カーナビーツが「好きさ 好きさ 好きさ」
としてリメイク・ヒット) 等でも知られる名グループです。


その翳りある…と言うか、むしろバンド名に通じる“あやしげ”と言っていいブルージー
なトーンが印象的なバンドで、ヴォーカルのコリン・ブランストーンとオルガンのロッド
・アージェントを中心に、'64年当時〜相当に人気を博したそうです。


しかし当時のイギリスのロック・シーンは正に激動の音楽躍進の日々。昨日のスターが
今日もスターとは限らないのです。多くの“マージー・ビート”の有名どころの中で、
'60年代後期まで残ったのは〜ほんの僅か。ZOMBIESも徐々に人気を落とし、有名バンド
でありながら当時唯一のアルバム『BEGIN HERE』といくつかのシングルを残したきり、
ヴォーカルのコリン・ブランストーンが脱退し〜'67年ZOMBIESは解散してしまいました。


中心人物のロッド・アージェントは解散後に、コリン在籍時のいくつかの録音の残りや
その後の作品を集めて『ODESSEY & ORACLE』('68)というアルバムを発表し、その活動を
静かに締めくくりました。


しかし、ここで奇跡が。


AL KOOPERという男がいました。
彼は'60年代末、当時新進アーティストとして頭角を現していた存在だったのですが、
それと同時に〜アメリカのColombiaのディレクターとしても活動し、イギリスで制作さ
れた作品の中からアメリカでの発売を検討する立場も兼任していたのです。
そんな彼が膨大な量の候補の中から『ODESSEY & ORACLE』を見つけて大感激し、本国
アメリカに持ち帰り〜シングル「TIME OF THE SEASON」と共に大プッシュ。
その結果〜予想以上の大ヒットとなり、『ODESSEY & ORACLE』及び「TIME OF THE SEASON」
(全米3位)は-“幻の名盤”では無く、晴れて“歴史的名盤”に成り得たのでした。
更に書くなら、『ODESSEY & ORACLE』は〜あのBRIAN WILSONの大傑作『PET SOUNDS』
(THE BEACH BOYS)への“英国からの解答”ともいう趣きの作品であり、AL KOOPER
狂喜するのも当然の内容。なにしろ、彼はBRIANを崇拝していたのだから。


再び注目される事となったZOMBIESですが、当時再結成はせず、ヴォーカルのコリン・
ブランストーンはロッド・アージェントらのプロデュースのもと名盤『ONE YEAR』や
『ENNISMORE』等を発表。絶世の名バラード「I DON'T BELIEVE IN MIRACLE」など〜
ZOMBIES好きなら避けて通れない繊細な名唱をいくつも残している。
STINGにも通じるかすれたハスキー・ヴォイスが陰影を刻む、本当に素晴らしいVocalistだ。
一方ロッド・アージェントは、自らのグループARGENTを結成し'70年代英国ロック・シーン
で活躍した。ZOMBIES時代よりProgressiveまたはHardな作品も多い。また、ロッド・
アージェントはザ・フーの名盤『WHO ARE YOU』(78)にもゲスト参加している。




往年の名曲がCMやドラマ、映画などで使用される機会は少なくありません。
そんな作品の多くは〜現在の楽曲よりもおおいに人々にアピールする場合もあるし、
単に懐かしいだけでは無く、はじめて聴く人にも新鮮に響く場合もあるはず。
そして、そんな曲の背景を紐解いてみると…こんなドラマが隠されている場合も多いのです。
だから僕は〜「音楽つながり」を探るのをやめられないんです。




とにかく、ブライアン・ウィルソン/ビーチ・ボーイズ・ファンも、ビートルズ通も、
英国おたくやソフト・ロック好き、もちろんアル・クーパー好きからCMで知った人も、
もし〜まだの方がいらっしゃったら是非『ODESSEY & ORACLE』を聴いてみてください。
このサイトに興味をお持ち頂ける方なら、“人生の100枚”に入る物かもしれません。




                    *なるほどね〜と、思ったら… こちら投票♪


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 P.S.*あぁ〜、軽い紹介文のつもりが…また長文になってしまったぁ〜(^^;)
   10年も経つんですね〜、小○さん。(謎)