♪邦楽いい曲・いい音

fabzweb2005-01-22



ザ・コレクターズのところで書いた事なんですけど、
最近の邦楽での〜“いい曲・いい音”というのについて考えてみました。




まずは先日コレクターズ編でも大きく取り上げたスピッツaiko
この2組、正直〜個人的には歌詞は本来僕の世界では無かったりします。
いい意味でも悪い意味でも〜歌詞が“女々しい”タイプではあると感じてしまいます。
けど、でも、嫌いになれない。
ある意味、その郷愁的世界が〜“ズルいよぉ”と思いつつ『わかるよ〜』という処あるので。
「チェリー」「冷たい頬」「楓」や、「カブトムシ」「アスパラ」なんかは〜ヤバイです。
しかしこの2組は何より〜、
もし詞やイメージが嫌いな人でも、メロディの良さは認めざるおえないモノがあると思います。
ザ・コレクターズを聴いて育って来たこの2組は、
ロック的音像と歌謡曲との接点というあたりの見地として〜、
多分、ユーミンくらい…後々にも大衆に支持されるんじゃないかな、とも思います。


そういえばユーミンも〜
個人的には歌詞は苦手な筈なのに嫌いになれない系の〜曲は好き組なのですが、
彼女はベテランなのにユニークな人で、後輩のスピッツのトリビュート作に参加したりしました。
そこでのユーミンはいつものダンナのアレンジでは無く、
富田恵一さんというアレンジャーと組んでいて、そのスピッツ・カヴァー「楓」は最高でした。


さて、勘のいい方でしたら既にご察しかと思いますが〜、次に書くのは…キリンジです。
キリンジは兄弟2人グループなのですが、メジャー・デビュー作前から富田恵一氏と組んでいて、
現在の邦楽において最も“いい音”を出している人達なんじゃないかなと思っています。
(富田氏は数曲〜平井堅MISIA中島美嘉も手掛けてますが、ほぼ全曲というのはキリンジのみ)
楽曲としては“いい曲系”タイプでは無く、“ひねくれ曲系”丸出しですが〜それがまた魅力。
もし僕がディレクターなら、世界デビューさせるなら宇多田ヒカルじゃなくキリンジでしょう。
日本においても意味不明なシュールな詞を直訳してあの音に乗せて出せば〜
それだけで宇多田ヒカルの何百倍も独創的な筈ですから。
キリンジ+富田恵一の形で今後も出来る限り続けて欲しいです。
願わくば、アルバム『3』の楽曲の粒揃いさレベルで。最近ちょっと惑い気味なの気になるけど。


そのキリンジより何倍も最近の惑い気味が気になるのは…奥田民生スガシカオ
この2組は昔は大好きと言っていいくらいでした。故に最近の感じが少し気になる。
両者とも“まったり”加減が魅力ではあると思いますけど、最近“まったり”し過ぎてない?
音は相当いいですけど、楽曲自体が練ってない気が。“手癖の範疇”になって来ているようで…。
個人的には、アルバム半分手前で辛くなってます。もっと絶対出来る人達だと信じているので。
ユニコーンや「イージューライダー」、『Clover』や『Sweet』を作った人達なのですから。
“まったり”とか“手癖の範疇”もいいけど、誰かにケツ叩かれながらがいい場合もある気が。


mr.childrenは今や完全に“手癖の範疇”ですね。しかし、今も昔も同じならば〜
最近改めて聴いてみて、正直、10数年前の「CROSS ROAD」の方がいい曲でした。
ミスチルの曲調は完全にコステロであり、ファンでコステロ聴かない人は本当に不思議ですが、
イメージとしてはオアシスやU2辺りの印象があります。ある意味“優等生のつまらなさ”的な。
しかし一瞬、そこからの脱却を計った時期がありました。
それは、「光の射す方へ」。
ファンはあの曲こそ〜もっともっと評価してあげるべきだったと思うのですが…。
詞は背伸び見えますが、多分メンバーの中では…相当に“世に問いた”楽曲だったと思いますよ。


 *


そしてザ・コレクターズ
正直、僕は元々〜初期コレクターズ好きで、一度距離を置いた者です。
しかし戻ってきました。一度離れて戻ってくるというのは、相当な事だと思います。


コレクターズ聴かれた事の無い方や、
ここに挙げた全てのアーティストのファンの方は、試しに、
コレクターズの「百億のキッスと千億の誓い」「Giulietta」「GIFT」の3曲を聴いてみて下さい。
もし洋楽ロック・マニアなら「20世紀が終わっても」「Mr.GENTLE(for John Entwistle)」、
ポップス好きなら「遠距離通話サービス」なんかでもいいです。
大ヒットした「世界を止めて」が好きだった人なら…「POWER OF LOVE」なんかでも。


これらの曲は、僕がコレクターズ・ファンを離れた以降の作品です。
そして、またファンに戻る程の“きっかけ”となった曲です。戻るだけの理由があったのです。


「百億のキッスと千億の誓い」「Giulietta」「GIFT」は、
どなたでも親しみやすいメロディを、シンプルに〜ロック・サウンドにて表現しているものです。
シンプルです。何の付加価値もありません。
しかし、ストレートに、“楽曲”だけで素晴らしいのです。
そしてそれは、大変な事だと思います。


コレクターズに関して、言い方は違えど、よく聴く言葉があります。
『コレクターズは、“楽曲”良くて〜あたりまえ。』
ある意味、こんなシビアな言葉を長年言われ続けて〜
そしてそれをクリアし続けるという事の凄さを、
この3曲を聴けば、感じる事が出来るのではないかと思い挙げてみました。


騙されたと思って、試しに聴いてみて下さい。(収録盤別記参照)。
もちろん、騙しはしません。
3曲とも入っている『SILVER SPRUCE』というベスト盤もあります。(ASIN:B00005HQRV)
上に挙げた…他の曲の内〜
「Mr.GENTLE(for John Entwistle)」、「遠距離通話サービス」「POWER OF LOVE」は
試聴可能です(LINK先ページ下部)



何か“きっかけ”があれば、いろんな人に聴いてみて欲しいのがザ・コレクターズです。
そしてザ・コレクターズは、
“きっかけに強い名曲”を数多く残しているのを思い知ったから〜オススメ中なのです。






 〜[ザ・コレクターズ特集] まとめてご覧頂くと更に楽しめます〜♪